- 『成功する子失敗する子』を買おうか迷っている人
- 子どもとの関わり方の本を探している人
『学力の経済学』の中室牧子氏の推薦書籍
「人生における成功に必要な要素はなにか?」
「どんな力を身につければ幸せになれるのか?」
非認知能力が子供の将来に与える影響と効果について書かれている一冊です。
成功する子失敗する子をおすすめする人
本書では幼少期の親の接し方から高校生の話まで幅広い子供たちの事例が書かれています。
幼少期が成功に必要な要素であると認めつつも、思春期以降の子供に対しても有効な手立ては存在していると著者は言っています。
他の育児本を読んで「うちの子はもう遅い」と諦めてしまった人におすすめです。
思春期以降でも伸ばせる能力や成功に必要な能力を知ることが出来ます。
幼少期から高校生までと幅広い子供たちの話が展開されるので、幼少期の子育てを学びたい人は他の本のほうが満足度が高いと思います。
成功する子失敗する子から学べる内容
- 幼少期のストレスが子供にあたえる影響
- ストレスから子供を守る方法
- 思春期以降で成功するのに必要なスキル
第一章では幼少期のストレスが子供に与える大きな影響について研究結果を元に解説し、ストレスから子供を守るために親ができることがまとめられています。
第二章では子供の成功に欠かすことが出来ない能力とは何かについて。
第三書以降では、実際の子供の例を元に成功に必要な能力や必要な施策についてまとめています。
成功する子失敗する子の要約
思春期以降でも気質(非認知能力)は改善できる。
子供の将来は幼少期の家庭環境がに大きく影響し、親子関係の改善が子供にとって有益な結果をもたらす。
幼少期の重要性は否定できないが、成功のために必要なのは気質(非認知能力)は変えることが可能である。
成功する子失敗する子の目次
- 序章 明らかになる新事実
- 第一章 失敗する子、しない子
- 第二章 何が気質を育てるのか
- 第三章 考える力
- 第四章 成功への道
- 第五章 わたしたちに何ができるのか
成功する子失敗する子を評価する3つのポイント
多彩な研究結果を元した内容
神経科学、経済学、心理学などあらゆる科学的アプローチを交えて、子供が人生で成功するために必要なスキルは何かについて語られています。
取材した内容だけでなく、その科学的根拠となる研究の紹介などが含まれているので説得力があります。
教育者や若者の失敗から学べる
本書では、様々な教育関係者や若者たちの物語が語られています。
登場人物たちの背景から失敗、その後何を学び、どう次の行動に繋げたのか。
成功だけでなく失敗を学べることは、本書の大きなメリットです。
思春期以降の子供も対象としている
子供が成功するための本は幼少期を対象にしたものが多いですが、この本では思春期の子供たちについても多く触れられています。
貧しく困難な家庭で育った高校2年生の少女や暴力的な生徒だった高校1年生の少女など、思春期の子供たちがどのように人生を変えたのか。
思春期の子育てに悩んでいる人は
「なにが子供に必要なのか?」
そのヒントが得られると思います。
成功する子失敗する子をあえて批判するなら
あえて批判するとすれば、対象としている子供の年齢が広すぎる点です。
幼少期だけでなく思春期の子供も対象になっているのは、メリットでありデメリットとも言えます。
ですが、子供の成功について「うちの子は大きいから」と悲観的になる必要がないということです。
幼少期をすぎていても子供が成功するために伸ばせる要素はあるんです。
成功する子失敗する子の感想まとめ
子供の学力やIQを伸ばすだけが教育ではありません。
一流大学に入ることだけが目的なら学力主義でもいいですが、社会に出るとほとんど役に立ちません。
子供の成功を左右するのは、社会に出た後に必要になる気質(非認知能力)を子供時代にいかに伸ばしてあげるかにかかっています。
子供の気質(非認知能力)はIQなどの認知能力と違い、10代以降でも伸ばすことが可能と著者は言っています。
子育てをしている親にとって「うちの子は遅すぎる」と考えるのは誤った考え方かもしれません。幼少期と思春期では伸ばす能力が違うだけです。
自分の子供に当てはめて考えてみてください。
- 「自制心は足りていますか?」
- 「やり抜く力はありますか?」
- 「誠実さを持っていますか?」
子供にはまだまだ伸ばせる能力が存在しています。
『成功する子失敗する子』
著者:ポール タフ
翻訳:高山 真由美
ジャンル:児童心理学