- 『幼児教育の経済学』を買おうか迷っている人
- 幼児教育の重要性について学びたいと思っている人
『幼児教育の経済学』は一般向けに書かれていますが、実用書ではありません。幼児教育の重要性に関するジェームズヘックマン教授の研究をまとめた本です。
次のような構成になっています。
研究結果のまとめ
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各分野の専門家による反論
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再反論
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解説
結論だけ知りたい人は『幼児教育の経済学』ではなく『学力の経済学』を読むことをおすすめします。
『幼児教育の経済学』に書かれている研究結果以外にも様々な研究結果について書かれています。
» 参考:【林先生絶賛】幼児教育と非認知能力について学べる『学力の経済学』
ジェームズヘックマンの幼児教育の経済学をおすすめする人
幼児教育がなぜ重要なのか理由を知りたい人におすすめです。
思春期ではなく幼少期の教育が必要な理由や幼少期の環境が子供に与える影響について、研究結果を元に解説しています。
実用的な内容はないと思ってください。この本は幼児教育の重要性を理解するための本です。
ジェームズヘックマンの幼児教育の経済学から学べる内容
幼児教育の重要性について順を追って説明されているので理解しやすいと思います。
人生で成功するために必要なスキルについて
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なぜ幼少期が重要なのか
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家庭環境が子供に与える影響とは
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幼少期の介入による効果
ジェームズヘックマンの幼児教育の経済学の要約
子供が将来成功するかどうかは幼少期の環境の質によって大きく影響を受ける。
子供の成功には認知能力だけでなく非認知能力も必要であり、非認知能力は幼少期の環境を充実することで向上させることができる。
幼少期の教育に対する公的な支援は投資効果が高く、格差の問題を改善することが可能である。
ジェームズヘックマンの幼児教育の経済学の目次
パート1:子供たちに公平なチャンスを与える(ジェームズ・J・ヘックマン)
パート2:各分野の専門家によるコメント
パート3:ライフサイクルを支援する(ジェームズ・J・ヘックマン)
解説:就学前教育の重要性と日本における本書の意義(大竹文雄)
ジェームズヘックマンの幼児教育の経済学を評価する3つのポイント
幼児教育の重要性について学べる
幼児教育が必要な理由を各研究を元に説明しているので「なぜ幼児教育が重要なのか」という理由まで知ることができます。
研究結果に対する各分野の専門家の見解が載っている
各分野の専門家の意見を読むことができるので、様々な視点でジェームズヘックマン教授の研究結果について考察することができます。また、ヘックマンによる再反論により研究結果の理解を深めることもできます。
日本の幼児教育について言及している
解説部分で大竹文雄教授が日本の貧困事情について書かれています。また、アメリカの研究結果と類似した日本の研究結果についても知ることができます。
ジェームズヘックマンの幼児教育の経済学をあえて批判するなら
実用性が低いので内容を知らずに買うと「買わない方がよかった」と感じてしまうはずです。
幼児教育の重要性について理解を手助けしてくれる本として読むと満足度が高くなると思います。
ジェームズヘックマンの幼児教育の経済学で心に残ったフレーズ
私たちの研究では、子供が十八歳の時点での認知的到達度・・・(中略)を母親の学歴別にまとめたところ、子供が小学校へ入学する六歳の時点ですでに格差が明白だった。
6歳の時に認知・非認知能力が高い子は18歳になっても能力が高く、6歳の時に認知・非認知能力が低い子は18歳になっても能力が低いということです。
つまり小学校入学時にはすでに差がついてしまっているんです。
もちろん『ビリギャル』のように6歳以降でも、本人が努力すれば能力を伸ばすこともできます。ただし、これは特別な例だと考えたほうが良さそうです。
子供の年齢上がるにつれて投資効果が低くなる研究があります。
要するに子供に対する投資が遅ければ遅いほど時間とお金をかけても結果が出づらくなるということです。
幼児教育の重要性がわかる一文ですね。
ジェームズヘックマンの幼児教育の経済学の感想まとめ
幼児教育が大事なことは多くの人が知っていても、実際に行動している人は少ないと思います。
頭でわかっていても理解していないと行動には繋がりづらいです。
あなたはこれらの問いに答えられますか?
「なぜ幼児教育が重要なのか?」
「幼少期の環境が子供に与える影響は?」
『幼児教育の経済学』
著者:ジェームズ・J・ヘックマン
翻訳:古草 秀子
ジャンル:幼児教育>一般