「幼児教育って本当に効果があるの?具体的にどんな効果があるか教えてほしい」
こんな疑問に答えます。
幼児教育の効果まとめ
幼児教育の効果として、アメリカで行われた幼児教育『ペリー就学前プロジェクト』と『アベセダリアンプロジェクト』の研究結果をまとめました。この2つのプロジェクトは長期的に追跡調査されており、幼児教育の効果について知ることができます。プロジェクトの内容については記事の後半で紹介します。
教育に関する効果
まずは、学力など教育に関する効果をまとめます。
- 学力(IQ):高いor変わらない
- 高校の卒業率:高い
- 大学の入学率:高い
- 留年率:低い
学力(IQ)の効果は、幼児期のみ両プロジェクトでIQが高いという結果が出ました。しかし幼児期以降は、『アベセダリアンプロジェクト』のみIQが高いという結果になり、『ペリー就学前プロジェクト』では参加していない子供とのIQに差がありませんでした。ですが、IQに差がないにも関わらずその後の人生で差が出ることがわかっています。
高校の卒業率、大学の入学率は両プロジェクトとも高くなっていました。つまり、幼児教育によって子供の将来の学歴が変わる可能性があるということです。また留年率が低くなっており、学習に向かう態度・意欲にも差が出ていることがわかります。
経済状況に関する効果
次に、雇用や年収など経済状況に関する効果をまとめました。
- 雇用率:高い
- 継続雇用の割合:高い
- 平均年収:高い
- 持ち家率:高い
- 生活保護の受給率:低い
幼児教育は子供の将来の所得を上げる効果があります。『ペリー就学前プロジェクト』を受けた子供は、そうでない子供と比べて40歳になった時の雇用率、平均年収、持ち家率が高くなっていました。つまり、幼児教育を受けた子供のほうが経済状況が良かったということですね。また、生活保護の受給率も幼児教育を受けた子供のほうが低くなっています。
『アベセダリアンプロジェクト』においても継続して雇用されいている割合が高いという結果が出ています。
健康・生活に関する効果
最後に喫煙など健康・生活に関する効果をまとめます。
- 喫煙率:低い
- うつ病:低い
- 結婚率:高い
幼児教育によって子供の健康面でも良い効果が期待できます。幼児教育を受けた子供は、そうでない子供と比べて喫煙率が低く、『アベセダリアンプロジェクト』ではうつ病になった人の割合が少なくなっていました。
そのほかにも、幼児教育は将来の子供の結婚にも影響を与えるようです。『ペリー就学前プロジェクト』を受けた子供は、そうでない子供と比べて結婚率が高いという結果が出ました。
幼児教育の効果がわかる研究
幼児教育の効果がわかる研究『ペリー就学前プロジェクト』と『アベセダリアンプロジェクト』の内容について紹介します。
全て書くと長くなってしまうので、ここでは概要だけに留めています。詳細について知りたい方は、各プロジェクトの概要の下にリンクを載せたのでそちらを参考にしてください。
ペリー就学前プロジェクト
ペリー就学前プロジェクト(ペリー幼稚園プログラム)はアメリカのミシガン州で行われた幼児教育プログラムです。このプログラムは40歳まで長期にわたり追跡調査されています。
- 開始時期:3歳〜4歳
- 期間:2年
- 授業:1日2時間半
- 親への支援:家庭訪問
- 内容:自主性を重視したプログラム
ペリー就学前プロジェクトの詳細な内容・効果は『【非認知能力を高める幼児教育】ペリー就学前プロジェクトの内容と効果まとめ【関連本も紹介】』で詳しく紹介しています。
アベセダリアンプロジェクト
アベセダリアンプロジェクトはアメリカのノースカロライナ州で行われた幼児教育プログラムです。このプログラムも35歳まで長期に渡って追跡調査されています。
- 開始時期:約5ヶ月
- 期間:5年
- 授業:6時間〜8時間
- 親への支援:面談
- 内容:言語を重視したプログラム
アベセダリアンプロジェクトの詳細な内容・効果は『IQを伸ばす幼児教育】アベセダリアンプロジェクトの実験内容と効果まとめ【ペリー就学前プロジェクトとの比較も】』で詳しく紹介しています。
効果的な幼児教育とは
学力が全てではない
幼児教育によって子供の将来の学歴や雇用・年収などの経済状況が変わります。ですが、この効果は学力だけによるものではありません。
『ペリー就学前プロジェクト』では幼児期には学力は向上しましたが、その後幼児教育を受けていない子供との差はありませんでした。それにも関わらず、将来の学歴や経済状況には差が出ています。
なぜでしょうか?
それは、学力とは違う能力、非認知能力が鍛えられたからです。
非認知能力の効果が大きい
学力に差がないにも関わらず、その後の人生を変えた要因は非認知能力です。学力のことを認知能力と言うのの対し、学力で測れない能力のことを非認知能力と言います。学力では測れない能力とは自制心、やり抜く力、協調性など測定が難しい能力のことです。
人生においては学力よりも非認知能力のほうが重要になってきます。自制心が高ければ遊びや娯楽などで現実逃避せずに勉強し、就職したり自分のスキルを伸ばすことを優先するでしょう。協調性が高ければ職場でもうまくやっていけます。
幼児教育によって人生に必要な能力を伸ばせたからこそ、将来の学歴・年収が高くなったのです。
自宅でも幼児教育はできる
幼児教育の効果がわかったからとすぐに幼児教室に連れて行くのはちょっと待ってください。もちろん幼児教室に通わせても構いませんが、まずは家庭が大切です。
家での過ごし方も幼児教育に大切な要素の一つです。紹介した二つのプロジェクトは共に家庭訪問など親への支援も同時に行っていました。つまり、子供が家でどのように過ごすかも幼児教育には重要なんです。
「じゃあ、家では何をしたらいいの?」
子育てに忙しい親には自分で教材を選んだりするのは大変ですよね。なので、年齢にあった教材を届けてくれる幼児教材を活用するのをおすすめします。子育てや家事に忙しい親は体がいくつあっても足りません。楽できるところは楽しましょう。でないと、親が持ちません。
子供が大きくなった時の学歴・年収は幼児教育をしたかどうかで変わってきます。将来「やっておけば良かった・・・」と後悔しないようにしたいですね。