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ペリー就学前プロジェクトの内容と効果まとめ【関連本も紹介】

子供たちが先生から学んでいる画像 幼児教育

ペリー就学前プロジェクトって子供にどんな効果があったんだろう?
ペリー就学前プロジェクトの内容を子育てに生かす方法ってあるの?

そんな疑問に答えます。

林先生絶賛の『学力の経済学』でも紹介されているペリー就学前プロジェクト(ペリー幼稚園プログラム)は子供の非認知能力を高める効果がありました。ペリー就学前プロジェクトの実験内容と結果を知ることで幼児教育の大切さが見えてきます。

ペリー就学前プロジェクトの実験内容と効果

ペリー就学前プロジェクトの実験内容と効果についてまとめました。

ペリー就学前プロジェクトの概要

ペリー就学前プロジェクトとは1962年から1967年にアメリカのミシガン州で行われた就学前教育プログラムです。高品質の就学前教育を目的に3歳〜4歳の子供123人を対象に実施されました。

この実験は長期にわたって追跡調査され、子供達が14歳、15歳、19歳、27歳、40歳の時にデータを収集しました。

ペリー就学前プロジェクトの実験内容

  • 実施期間は2年間
  • 授業は1日2時間半
  • 週に一回90分の家庭訪問
  • 各クラスは約25人で4人の先生が受け持つ
  • 先生は専門家のみ

ペリー就学前プロジェクトの期間は2年間、授業は午前中に2時間半行われ、週に一回家庭訪問も実施されました。約25人のクラスには4人の先生が配置され、先生一人あたり約6人の子供を担当しました。先生は全て学位を持つ専門家だけが採用されました。

授業内容は子供の自発性を大切にする活動を中心に行われ、指導内容は年齢と能力に応じて調整されました。個人だけでなく、小グループや大グループでの活動も行われています。上の動画は大グループでの活動の様子です。

ペリー就学前プロジェクトの効果

ペリー就学前プロジェクトの効果は、プログラム終了後にも良い結果をもたらしています。

教育に関する効果

項目 ペリー就学前プロジェクトを受けた子供 対照グループ
IQが90以上(5歳) 67% 28%
特別支援教育の対象者 15% 34%
基礎学力の達成(14歳) 49% 15%
高校のGPA(成績評価値) 平均GPA2.03 平均GPA1.73
高校を卒業 77% 60%
留年・休学せずに高校を卒業 66% 45%

ペリー就学前プロジェクトの教育を受けた子供は、教育を受けていない子供に比べて5歳の時のIQが高くなっています。しかし、IQに関しては8歳前後で優位性は無くなります。ですが、IQ以外の非認知能力に対する優位性は持続することがわかっています。

小学校入学後では、問題行動や不正行為が少なく、特別支援が必要な子供の割合も低くなっています。

14歳時点では、基礎学力の到達度(49%対15%)がと高く、GPA(成績評価値)の値(平均GPA2.03対平均GPA1.73)も高くなっていました。

高校生の時には宿題に多くの時間を費やし、高校を卒業した割合(77%対60%)も多く、
特に女の子の卒業率(88%対46%)に違いが見られました。

また、子供だけでなく両親も子供の教育に関してより積極的な態度を示すことがわかっています。

経済状況に関する効果

項目 ペリー就学前プロジェクトを受けた子供 対照グループ
雇用率(40歳) 76% 62%
平均年収(40歳) 約21,000ドル 約15,000ドル
持ち家(40歳) 37% 28%
車の所有(40歳) 82% 60%
生活保護の非受給率(40歳) 29% 14%

ペリー就学前プロジェクトは雇用や収入などにも影響を及ぼします。

40歳での雇用率( 76%対62%)が高く、平均年収( 約21,000ドル対約15,000ドル)は約7,000ドルの差がありました。家も持つ割合(37%対28%)や、車を所有している割合(82%対60%)も高くなっています。

また、生活保護の受給していない割合(29%対14%)も低くなっていることから、経済的に差があることがわかります。

社会行動に関する効果

項目 ペリー就学前プロジェクトを受けた子供 対照グループ
結婚 43% 25%
男性が子育てに関与する割合 57% 30%

ペリー就学前プロジェクトの教育を受けた子供は、将来結婚する割合(43%対25%)が高くなっています。また、男の子の場合は子供ができた時に子育てに積極的に関与(57%対30%)してくれます。

ペリー就学前プロジェクトの内容と効果がわかる本

空飛ぶ本に乗る女の子
ペリー就学前プロジェクトの内容と効果がわかる本は2冊紹介します。

学力の経済学


幼児教育の重要性に関する項目でペリー就学前プロジェクト(ペリー幼稚園プログラム)が紹介されています。また非認知能力の重要性についても語られていて、非認知能力とは何か、非認知能力の鍛え方なども書かれているので、子供の非認知能力を伸ばしたいなら一読の価値があります。

幼児教育の経済学


ノーベル賞を受賞したジェームズヘックマン教授の著書です。育児本というよりはペリー就学前プロジェクトなどの研究結果をまとめた内容になっています。ですが、数式などは出てこないので難しい本が苦手でも安心して読めます。

ヘックマン教授らの研究では子供が6歳時点ですでに学力に差がついていることを明らかになっています。そのため就学後の教育を高めるためには、就学前の幼児教育が重要なのです。幼児教育の経済学では、幼児教育の重要性について科学的根拠(エビデンス)に基づいて説明してくれます。

幼児教育の重要性について簡単に知りたい場合は『学力の経済学』、詳細に知りたい場合は『幼児教育の経済学』がおすすめです。


ペリー就学前プロジェクトの内容を子育てに活かす方法

子供が遊ぶのを見守る母親
ペリー就学前プロジェクトの内容を子育てに活かす方法を2つ紹介します。

HighScopeについて

HighScopeとは、ペリー就学前プロジェクトを行ったデイヴィッド・ワイカートによって設立された非営利団体です。世界中の子供達を支援するために、カリキュラムの開発や指導者の養成、教育に関する研究を行なっています。

HighScopeが推奨する子育て方法

就学前の子供は自宅での教育が大切になります。そのため、HighScopeでは親が自宅でできる子育ての方法について情報提供しています。ここではその一部を紹介します。詳細について知りたい方はHighScopeのHPを確認してください。

ポイントは子供に自発的な行動を促すことです。

親と子供の交流を深める4つの方法

親と子供の交流が子供の学習と発達に重要な役割を果たします。親は子供が自発的に行動できるように支援します。

  • 主導権を取らずに子供の遊びに参加する
  • 子供の強みに焦点を当て、賞賛ではなく励ましの言葉を使う
  • 子供に問題解決させる
  • 子供と会話する
  • 主導権を取らずに子供の遊びに参加する

遊びは大人が主導権を握るのではなく、子供に主導権を握らせます。

  • 子供の強みに焦点を当て、賞賛ではなく励ましの言葉を使う

好きなことを自分で選択させると子供は上手に出来ます。うまく出来た時は評価するような言葉ではなく、子供の行動や言葉など具体的な内容について励ましの言葉を使います。

  • 子供に問題解決させる

親はすぐには手を出さずに、子供に試行錯誤させることで問題解決能力を高めます。

  • 子供と会話する

子供の目線に立って会話し、子供が答える時間を十分に取るようにします。

子供の問題解決に役立つ6つのステップ

この6つのステップは子供達の争いを解決する手助けをしてくれます。

  1. 落ち着いて子供の行動を止める
  2. 子供の感情を認める
  3. 何が問題なのか尋ねる
  4. 問題を再現する
  5. 解決策を訪ねて、一緒に一つ選択する
  6. フォローアップする
  1. 落ち着いて子供の行動を止める

怒鳴りつけたりしないようにします。

  1. 子供の感情を認めます

子供の感情を言葉にして伝えます。

  1. 何が問題なのか尋ねる

子供に「何が問題なの?」と尋ねます。この時かならずwhatで質問します。whyで聞いてはいけません。

  1. 問題を再現する

問題を明らかにします。

  1. 解決策を訪ねて、一緒に一つ選択します

問題解決の方法を子供に尋ねます。そして、一つの解決策を選択します。

  1. フォローアップする

問題解決できたらその功績を認めてあげます。問題解決できなかった場合はもう一度このステップを繰り返します。

  • 幼児教育の重要性がわかる本
  • HighScopeに関する本
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