非認知能力を学ぶおすすめ本を教えて欲しい。
非認知能力について勉強したいけど、どの本を読んだらいいか分からない
僕は月20冊以上の本を読んでおり、過去に読んだ育児本から非認知能力に関するおすすめ本を紹介します。
もうすぐ2歳になる娘を持つ親でもあるので、『子育てをする親として役に立った本』かつ『人におすすめ出来る本』だけに厳選しました。
非認知能力を学ぶおすすめ本
まずは非認知能力全般について学べる本を4冊紹介します。
学力の経済学
「林先生が驚く初耳学!」で林先生が「日本国民全員が一冊持つべき」と絶賛した本です。
科学的根拠に基づく子育てについて書かれた本ですが、非認知能力に関しても第3章『勉強は本当にそんなに大切なのか-人生の成功に重要な非認知能力』としてまとめられています。
『非認知能力とは』という基本的なことから、非認知能力のスキル一覧や非認知能力の中でも特に重要なスキルなどが紹介されています。本書では、特に重要なスキルに関して本書では次のように定義しています。
1、学歴・年収・雇用などの面で、子供の人生の成功に長期にわたる因果効果を持ち
2、教育やトレーニングによって鍛えて伸ばせる
ことが、これまでの研究の中で明らかになっているものです。
非認知能力を鍛える方法についても書かれているので、まだ読んだことのない方はぜひ読んでみてください。
成功する子失敗する子
上で紹介した『「学力」の経済学』の著者中室牧子氏も推薦する一冊。成功する子の条件を神経科学、経済学、心理学など最新科学から導いてくれます。
大学の卒業率が高いのはどちらの子供だと思いますか?
- テストの点数が高い子
- 非認知能力が高い子
成績が良い方が卒業率が高くなると思いがちですが、大学大学に最後まで通い卒業できるのは、高校の成績が良い子供ではなく非認知能力が高い子供です。学力が高いだけでは成功できません。
本書では、非認知能力の重要性を科学的に解き明かしてくれます。豊富な研究データと実際の教育現場の取材による内容を元に書かれており、科学的根拠(エビデンス)に基づく子育てをしたい方にもおすすめです。
私たちは子どもに何ができるのか
「成功する子失敗する子」の続編、非認知能力に関する最新事例をまとめた一冊です。
本書では、非認知能力を伸ばす家庭への支援プログラムや学校における取り組みなど非認知能力に関する様々な最新事例を紹介しています。これらの事例を元に、家庭での子育てや学校教育で非認知能力を伸ばす方法として参考にすることができます。
ただし注意点が一つあります。本書は「成功する子失敗する子」の続編という位置付けのため、前作の内容についても触れられています。そのため、「成功する子失敗する子」を読んでから本書を読むことをおすすめします。
社会情動的スキル
※注意:非認知能力に関して深く学びたい人向けの本です。
非認知能力に関する各国の施策・実践・研究など科学的根拠(エビデンス)に基づくデータを整理した一冊。
OEDC(経済協力開発機構)加盟国による非認知能力の重要性や育成のあり方を示した報告書です。
OEDCでは「非認知能力」のことを「社会情動的スキル」という言葉で定義しています。本書では以下の項目についてエビデンスを示してくれます。
- どのような社会情動的スキル(非認知能力)が個人の将来の経済的、社会的展望を推進するか
- どのような学習状況が子どもの社会情動的スキル(非認知能力)を形成するか
- 社会情動的スキル(非認知能力)を育成することの重要性を教育関係者がどの程度認識し、それらを強化するための政策、実践、評価を実行するか
つまり、「どのようなスキルが重要か」「どのような学習環境が重要か」「教育関係者ができることは何か」についてまとめられています。
子育て本ではないので内容は内容は難しめですが、紹介したどの本よりも詳細に非認知能力に関するエビデンスを示してくれます。上で紹介した本で満足できなかった方や非認知能力に関して知識を深めたい方におすすめの一冊です。
非認知能力に関連する本
非認知能力の特定のスキルについて学べる本を3冊紹介します。
マインドセット
非認知能力の一つ『意欲』に関連する本です。
親が子どもにかける言葉はとても重要です。親がかける言葉は、子供の意欲に大きく影響します。
- 子どもが成功した時にどんな言葉をかければいいか?
- 子どもが失敗した時にどんな言葉をかければいいか?
本書は、チャレンジする意欲・やる気を育てる方法を教えてくれます。
マシュマロ・テスト
非認知能力の一つ『自制心』について学べる本です。
マシュマロ・テストとは、子供の自制心を測定するテストのことです。子どもの前にマシュマロを一つおき、「戻ってくるまで我慢できたらもう一つあげるよ」と伝え大人は部屋を出ます。
自制心が高い子供のは一人になってもマシュマロを食べずに我慢し、二つのマシュマロを手に入れることができました。反対に自制心が低い子供は、部屋で一人になると我慢できずにマシュマロを食べてしまい、もう一つのマシュマロを手に入れることができませんでした。
自制心が高い子供は、将来の社会的地位や所得が高い傾向があります。
自制心に関しては『【非認知能力を高める】子供の自制心を鍛える5つの方法【マシュマロテスト実験】』で詳しく解説しています。
やり抜く力
非認知能力の一つ『やり抜く力』について学べる本です。
『やり抜く力』とは『長期的な目標に向けた「情熱」と「粘り強さ」』のことです。この『やり抜く力』の高い子は、物事を途中で投げ出さずに最後までやり通すことができます。親は学校の成績を重視しがちですが、成功に必要なのは『学校の成績』ではなく『やり抜く力』です。
本書では『やり抜く力』の重要性と『やり抜く力』を伸ばす効果的な方法についてまとめられています。成功に必要なスキル『やり抜く力』の育て方を学びたい方におすすめです。
非認知能力の本を読む必要性とは
IQなどの認知能力は幼少期をすぎると高めるのは非常に難しくなります。しかし、非認知能力は子供だけでなく大人でも伸ばすことができます。
ですが早くから非認知能力を伸ばすことをおすすめします。その理由は、スキルがスキルをもたらすからです。
雪玉作りをイメージするとわかりやすいです。小さい雪玉だと転がしてもなかなか大きくなりませんが、大きな雪玉だと少し転がしただけで大きくなります。
子供のスキルも同じです。非認知能力が高くなるとより効率的に学習できるようになります。すると学習することが簡単になり、学習が継続しやすくなります。そのため非認知能力の高い子供のほうが学習の効果が高くなります。
非認知能力を伸ばすのに遅すぎるということはありません。今から伸ばしてあげれば良いだけです。親が『自制心』を働かせて今すぐ行動すれば、子供の将来の成功に一歩近づきますよ。